ラスタファリズム

庭の片隅にスイカが成りました。
おそらく夏の間に食べたスイカの種を、その辺りにペッペッとしたからでしょう。
驚くべきは、その生命力。
農場とは違い、潤沢な栄養も溢れる水も無い絶望的な環境。
芽吹いたスイカは、その壮絶な環境に天を仰いだことでしょう。
そして誓ったのです。「必ずや次世代に命を繋いでみせる！」と。
細胞ひとつひとつのDNAに刻み込まれた記憶がよみがえるのです。
産まれ故郷の熱帯アフリカの記憶を。
過酷なサバンナ地帯を生き抜いたあの記憶を。
細胞は誓う。復讐を。己の運命に対する復讐を。
赤子が母の乳房をまさぐるように、硬い大地に根を張り巡らせ、
僅かな養分と水を、ただ一つの実に送り続ける。希望と野望と共に。
よかろう。成すが良い。その野望を。
私は、その所業を見届けようではないか。
大成を成した暁には、その野望を我が臓腑に納めよう。
そして貴様の望み。新たなる大地へと希望の種をペッペッしてくれよう。
生きるがよい。成してみるがよい。

いま、１０ｃｍくらいの大きさでーす☆